――――歴史が終われば―――――


――――帰ってくる――――


――――そしたら歳も元通り―――――



(ふ……ふぅん)




遥は今一つ納得出来ない、と言った様子で、手刷りに背中でもたれた。




―――――桜花時代と言うのを―――――

――――――知ってるか?―――――――



遥は首をふった。
そんな時代習ったことなんて全くないのだから。




――――本当は存在した時代――――――


――――だけど―――――


―――――見送り人が恋をした―――――


――――そして帰ってこなく――――――


―――時代は存在しないこととなった――



遥の心臓が少し跳ねた。

永倉の顔が頭に浮かんで、会えない寂しさがどっと押し寄せた。




―――――失われた時間は――――――


―――人からスッポリ抜けてしまって――


―――――忘れられる――――――




――――江戸時代がなくなろうが――――


――綾野しか知らない事実――――――


――――それでいいなら―――――――


――――いかなくてもいい――――――


―――――歪みを直す気があるなら―――


―――――いってもらう―――――