時のなかの赤い糸



「んんっ」



気付けば着物はほとんどはだけていて、永倉の着物も少しはだけていた。




「やぁっ…だ…駄目っ」




遥の声は永倉に届かなくて、全く別人みたいに遥に対する永倉がどうも遥にとって



恐い。と思ってしまった。




「永倉さん」



涙を含んだ瞳で永倉を見つめると、永倉はバッと遥から離れた。




「…ごめんなさい……」




遥ははだけた着物を簡単に直すと自分の自室へ戻っていった。




永倉に触れられた部分がまだ熱くて、触れられた部分が今でも鮮明に思い出せた。




付き合ってるんだから、いずれはそうなるのだろうけど



今の遥にはまだ、心の準備が出来ていなかった。