時のなかの赤い糸



「まぁまぁ。いいじゃないですか」



山南さんはうどんをすすりながら永倉の背中を叩いた。




「内緒にしててくださいね」



遥は口の前で人差し指を翳して内緒のポーズをとってみせた。




「あぁ、土方さんにですか?」


「そんなん暗黙の了解ちゃいますん」




山南も山崎も遥の頭を撫でた。




「うどん一丁お待ち」




永倉と遥の机の前にうどんが置かれた。




こおばしいうどんのだしの香りが遥の鼻をくすぐった。




(おいしそぉ!!)




永倉遥揃ってだしを飲んだ。




「「う――っま!!」」




二人揃って感激の声をあげると、店の女の子かクスッと笑った