時のなかの赤い糸



話が終わって新撰組は屯所に向かった。




『永倉さん』



永倉の自室に綾野が訪れた。




永倉以外は皆、紫の蝶がある。
永倉事態、あの息を吹き掛けられたあとからの記憶が曖昧なのだ。



何かを忘れているような…


何か大切なかけがえのないなにかを。




「…どうした?綾野」



『永倉さんにとって、あたしはただの女ですか?』



座る永倉に綾野は抱き着いた。



「ちょ…どしたんだよ」




優しく永倉は綾野の頭を撫でた




『永倉さん…
あたし…不安なんです』




綾野の潤んだ瞳に艶のある唇。



はだけた着物から見える白い肌。




永倉はそのまま操られるように綾野に口付けしていた。