「当たり前だろ」
原田は永倉と目を合わすと次に遥を見た。
「ありがとうな」
「え?」
「じゃあ俺行くなっ」
原田は道を別れて走った。
「さよならっ原田さん!!」
「じゃあなっ」
原田は振り向き様に飛びきりの笑みを浮かべて手を振った。
原田が言った礼の意味はわからないが、あっさりとした永遠の別れは原田らしいと思った。
「永倉さんっ」
「涙止まったか?」
走りながら遥大きく頷いた。
永倉はそれを見て川岸まで走った。
江戸と京都は大分雰囲気が違うけれど、川原はさほど変わらない。
追ってはすっかりこない。
ずっと走り続けているせいで息が切れていた。