大分歩いたが、土地勘のない遥にはいつ頃着くかもわからないその場は酷く遠かった。



自分自身がそう願っていたのもあるかもしれない



どうか着かないで

どうか何らかの理由で局長が助かって




隣に歩く永倉からは言葉では言えない熱が伝わってきた。



永倉も何かを考えているんだってわかって、遥は何も話さなかった。



「新八、遥」




そう声が聞こえた方を向くと、川の畔にある木にもたれた原田がいた。




(もうきっとすぐなんだ……)



そう判断すると、遥はゴクリと唾を飲み込んだ。




「大丈夫か?」



朝のように永倉が遥を心配する。



「大丈夫ですよ」