時のなかの赤い糸



遥は静かに瞳を閉じた。

心がザワザワとしていた。



さっき聞こえた“声”




遥のザワザワはそれが原因だった。



─────未来に戻る時が来た──────




それだけ、聞こえたのはそれだけだった。



“未来に戻る”





わかっていたからこそ言われたくなかったその言葉。



今は少しでもいいから長く永倉と過ごしたいと、遥は自分の肩を抱いた。




「はるかー」




空から降ってくるような声。


別に、こんな公共の場で


(話しかけなくてもいいよーっっ)




無視を決め込んだ遥は、目をぎゅうっと閉じた。




「はーるかー」




絶対に面白がってると思いながら周りを気にすると、何人かが微笑まし気に遥を見ていた。