時のなかの赤い糸



「行きたい」



少し嬉しそうに遥が言ったから、永倉も嬉しくなって立ち上がった。




「皿洗い、俺も手伝うよ」





***





カポン。


とどこからか桶の音がして遥は空を見上げた。


その拍子で、お湯が波紋のように伝わっていく。



他の利用者もいるが、冬の露天風呂は最高のものだった。



鼻がよく通る感じの優しい温泉の香り。


夜空に瞬く満天の星。





永倉も、この壁の向こう側にいるのかな、と遥は横目で壁を見た。




白い色の温泉は少しだけヌルッとしているが、それは美容効果だとか。




(未来でも入れるかな)




なんて考えながら、ちゃぽちゃぽとお湯を肩にかけた。