時のなかの赤い糸



「遥は和風チャーハンが好きなの?」


「えと…はい……でも、一番じゃ…ないです」

「一番は?」

「和食です。

ご飯と、お味噌汁、それと魚、……漬物があれば尚いいですね」




遥は少し笑いながら炊けたご飯をよそった。



火力もそれほどないが、頑張ったらいけるのではないか


と、チャレンジしてみている。



「俺は和食ばっかだから、楽しみだな

和風チャーハン」



そう囁きながら息を吹き掛けてみると、遥は体を少し強張らせた。



「永倉さんっ

あっちで待ってて下さいよ」



耐えかねた遥が永倉にやっと突っ込んだ。



「やだ。少しでも一緒にいたいんだよ」



反則だ、と遥はバレないようにため息を落とした。