時のなかの赤い糸



***

「けっこう私、原田さんに渇を入れられるんですよねー」



遥は夕食を作りながら刀を磨く永倉に話しかけてみた。



永倉はさっき帰って来たばかり

原田と共にまた新しい部隊を作って何かしてるらしいが、詳しいことは遥にはわからなかった。



「んー……そうだな。確かに」



永倉は野菜を洗う遥の後ろ姿を見て、藤堂の件を思い返した。




袴着てダンダラ羽織着て、刀を握った遥は血だらけになりながら涙を流していた。



「毎回原田さんはあんななのに筋の通ったことを言うんです」




着物の遥が包丁を手にした



「だから、何か

ムカつくんですよ」




ザクッと切れた野菜に、永倉の表情はひきつった。



(こえーυ)