「助けだすんですよっ
ずっと慕ってついていった局長をほっとけって言うんですか!?」
パニックになった遥の腕を原田がしっかり握った。
「そんなことしてどうになるんだよ
俺達だってそうしたいに決まってる」
「じゃあどうして!!」
どうしてそうしないの、その言葉が出るまでに原田の目が訴えた。
“もう、どうなもならない”
遥も最初からそれがわかっていたのかもしれない。
「近藤さんは新撰組を、幕府を背負って出頭したんだよ。
俺達が行くのは無駄死にだ」
「局長が行く意味なんてない」
潤んだ声に、自分が泣きそうなのがわかった。
「……うん。意味なんてないよ」
俯いた遥、原田は遥の腕を引っ張って遥の頭に手をのせて原田の胸を貸した。
遥の涙が原田の胸に染みをつくる。