時のなかの赤い糸



遥のトロンとした目に唇を離した。


本当に無意識なんだろうけど、煽るのも大概にして欲しいと切実に願う永倉は


それでも抑えきれない思いに任せて再び唇を重ねた。



「…んぁ……」



今度は遥の声を聞くために深く重ねる



遥の手が永倉の背中に回った。



そんなことしたら………っ

(とめられなくなる)




永倉は遥の表情を見ながら唇を首筋に這わせた。



「永倉さんっ」

「ん?」



甘い雰囲気に任せて遥が呟いた言葉は「好き」



ずっとこのままで

ずっとこのままでと願いながら2人とも息を1つにした。



「朝っぱらから本気ですか」



細々とした、すきま風みたいな声に永倉がガクッと項垂れた。



わかってはいたけれど。