時のなかの赤い糸



「なあ、佐之助」

「なんだ?」




永倉が少しニッと笑ってみせた



「まだ薩長と戦ってみないか?」



その提案に、遥は永倉を見た。

ならなぜ新撰組を抜けたのか。
確かに今の新撰組では武器の差がありすぎて力は及ばない。


だけど新撰組の誠を背よって戦うことに意義があるはず。



それなのに抜けたとなれば、
考えられる理由なんてないはず。



「俺は遥と新居に暮らして、幸せになりたい。
遥も戦場には居ない、安心な家にいるっていう環境で俺はもう一度一旗あげたいんだ。
佐之助、もうちと付き合ってくれないか」


「いいに決まってんだろ!!」



(…………ちょっとちょっとちょっとちょっとちょっとちょっと)