時のなかの赤い糸



ほどなくして原田がスパンッと部屋の障子を開けた。


「二人とも探してたんだぜー!!」

「そう、まあ合流できて何より」



永倉が部屋に入ってきた原田の肩をポンッと叩いた。


適当に三人が部屋に座ると、やっぱり狭くなる。




遥はそれを見越して然り気無く永倉の隣に近付いた。


「ずるいーっイチャイチャしたいー」



そんな馬鹿を言うのは原田ぐらいのもので、永倉も遥も、はいはい、と流した。


「永倉さん、これからどうするんですか?」

「うん……どうしよう?」




だはっ

(何も考えてなかったの!?)


思わず心の中で突っ込んでみると、原田が手を上げた。


「はいはいっ!!俺は京に帰っておませと幸せに暮らすぜ!!」



おませは原田の奥さんだ。
こんなにお気楽なのにちゃっかりおませのお腹には子供もいる。