時のなかの赤い糸



「原田さん!!」



原田だ。二階の遥がいる窓に向かって、下から原田が大きく笑顔で手を振っていた。



“佐之助はどーするんだよ”

永倉が言った言葉の答えがこれかと気付いて、遥はガクッと項垂れた。




瞑想の中で新撰組を愛してた、的な締めの前に原田を思い出そうとしたのに



原田も抜けてきたのに
あんなに笑顔。




「原田さんの馬鹿ーぁ!!」




窓から身を乗り出して叫ぶと、原田は仕切りに笑った。



お気楽。

本当にお気楽!!




「佐之助いるの?」



部屋の中から永倉の声が聞こえて遥はすぐに振り返った。



「はい、下に」




遥がそう言うと、永倉はソッと下を見てニッと笑った。



「あがってこいよ」


「新八ーっ今行くからなーっ」