時のなかの赤い糸



斎藤は無口で強くて志に真っ直ぐで

武士の中の武士だと思っている。



話す機会は少なかったけど、遥にとって兄のような存在であった。



(もっと話したかったな)




山崎と言えば急に目の前に現れたんだ。

忍って、と動揺もしたけれど、タイムスリップした以上は何だか何でも受け入れることが出来た。



関西弁が素敵で、多分変態



(これも言ったら怒られるーυ)




笑いながら空を見た。

空はさっきよりうっすらと明るくなっている。




原田は…………


「はーるーかーぁ」



原田の声が聞こえて遥は思考を止めた。



(なんだいまの、勝手に瞑想に原田さんが入ってきたよ)




おかしいな、と遥が首を傾げると目を見開いた。