場所はかわり着物屋さん。
「女物を探してるんですけど」
遥が同い年くらいの女の店員に聞いた。
「プレゼントですか?」
「あはは、こいつ、実は女なんだ」
原田がさっきとはかわりようにベタベタしてくる。
「あ、すみませんι」
「い、いえι」
店員さんは、あたしの顔にあわせて次々に着物を持ってきた。
「これなんか、いいんじゃないでしょうか?」
初めに藍色の綺麗な着物をあわせてみた
けど、なんか
(あたしには大人すぎる?)
「じゃあこれは?」
今度は黄色の着物。
(子供すぎじゃない?)
「これなんかは」
なん着も試して、最後にあわせたのは
白に桃色の花が描かれた着物だった。