「ううん。愛した女が安全なところにいるのが男としての安心なんだ」
そう言って、永倉は遥の耳をカリッと噛んだ
言われた言葉と耳を噛まれたことに、遥は真っ赤になって俯いた。
「やっぱり女の子は家で待っていて欲しいよ」
永倉は、遥の方に体重を寄せて首に手を回して、わざと息をかける
「永倉さんっ」
逃げれない永倉の甘い雰囲気に遥は目を固く瞑った。
その瞬間、遥の唇を永倉が覆って後ろに倒れていった。
「大阪をでるんじゃないんですか?」
「まだ大丈夫だと思うよ」
永倉の安心に、遥が少しわかる気がした。
口では武士を語っても、心は女で
潜在能力のように、永倉の帰りを待っていたいと思う。
だけどやっぱり生きるか死ぬかの最前線にいる彼をただ黙っているなんて遥のしょうにはあわなくて、
次は一緒に、と固く誓った。