しぶしぶやって来た松本良順がいる大広間には、負傷者が増え出していた。
若い医者が治療をするなかで、松本良順は壁付近でその様子を眺めている。
遥はこっそり近付いて松本良順の隣に立った
「どうしましたか?」
前を見たまま松本良順は遥に話しかける。
「えっとですねぇ……υ」
普通に言えないことだから、遥は言うのに躊躇った。
だが、今この時間を松本良順が自分の話を聞いていると思うと申し訳なかった。
「結核の方と、…逢瀬を過ごすのはですね、大丈夫なのでしょうか」
真っ赤になりながら俯くと、松本良順の視線が遥を捕らえた。
「あなたが?」

