時のなかの赤い糸



花には悪いけれど、沖田にとって生きている楽しみに花という存在がある。


「沖田さんにはお花ちゃんが必要だよ。
もう、見てるのも無理なら無理は言わないけれど、
できれば傍に、沖田さんの傍にいてほしい」



遥の言葉が精神安定剤のように花の震えを取っていく。


「ごめん、遥ちゃん。

私、沖田さんを看病する前に、絶対傍に居るって約束したのに

今、自分に嘘つくとこやった」


ゆっくり遥から離れて、困った顔で笑う。


花は強い女の子だと思った。


遥が振り替えればもう笑顔の花がいる。



「ありがとう。
私、花ちゃんを守るよ」


同じくらいの身長の二人だから、一緒に笑いあうと、

顔が近くてそれにも笑った。



「綾野遥」


急に呼ばれて、声がした奉行所の方を見ると、山崎がいた。