伏見奉行所に入った新撰組は、ただ待機するだけだった。

遥と永倉と言えば、伏見奉行所にある大木の下で剣術の稽古をするくらいで

戦の準備をするだけ。



手に豆も出来て、永倉より先に遥が手を止めた。



「永倉さん」

「ん?」

「私達どーしてれば一番良いんですか?」

「知らないよ」



永倉は一度も木刀をふるリズムを狂わすことなくふりつづけている。


私には到底無理だと、木刀を木に凭れさせた。


永倉も、そんな遥を見て手を休める。



「大丈夫か?」

「これくらい何でもないですけど、ちょっと休みます」


手のひらを背中に隠して、遥がニッコリ笑った。





そんな日が続いたある日

局長狙撃の知らせが届いた。