時のなかの赤い糸



その笑みは見下すようで、もう1人も袴を叩きながら立ち上がると感情もないようにその場に居続けた。




嫌味を言っていた男はまだ口を開いてバカにしたような発言を口にする。




「仲良し組のまちがえじゃねぇか?女なんて武士なわけがない」


「わ、私は武士です!!」




遥が声をあらげると、近藤が遥に笑いかけた。



「彼女は武士だよ。君らよりずっとね」

「なんだと!?」




言われた一言がよっぽど効いたのか、男は表情をあからさまに悪くした。




「お前らみたいな偽物に武士を語る資格はない!!」



そう吐くと、男二人門の外に出ていった。




「何あの態度!?」

「綾野くんはもう大丈夫なのかね」




遥の暴言を聞いて生理的に大丈夫かと聞いた近藤が驚くように笑った。