時のなかの赤い糸



蹴った男は遥の頬を音が響く程に叩くと、遥の意識が一瞬朦朧とした。




そして揺れる視界



男は遥の首筋にネチャリと舌を這わせて、もう1人はその様子を見ながらニヤニヤと笑って意識が朦朧となりだした遥に対してもまだ嫌味を言い続けた。




「どうせお前も新撰組に入って体売ってたりしたんじゃねぇの?
こうゆうの、どうせ慣れてんだろ、いいじゃんか二人くらい、減るもんじゃないだろ。
新撰組なんて意味のない集団に体やるより、水戸藩で体売るほうが儲かるぜ?」



違う。違う、そんなことしていない。

新撰組をバカにしないで




言いたいことは山程あるのに、遥の体に力は抜けて、抵抗することも出来なかった。




私1人で何とかしなくちゃ……。



声を上げて助けを呼ぶ、という選択肢は遥にはなくて、束縛が解かれた手に力を込めて刀を握った。