時のなかの赤い糸



遥は首を左右に傾けると、ボキッと予想外な鈍い音がして遥は表情を歪めた。



最近、少し疲れがたまって来てしまったようだ。




太陽はちょうど頭上にポカポカと光を放っている。

冬の暖かい日射しが今の遥にはちょうど心地よかった。




門の警備がもうすぐ交代の時間なのだが、交代に来るはずの水戸藩の隊士の姿はない。



はぁ、と遥がため息をつくと、隣にいた永倉が立ち上がった。




「次の奴呼んでくる」

「あ、ありがとうございます」




遥は眠たい目を擦って頬を叩いて気合い付けた。



次の交代までは何としてでも気を抜いてられない……



そんな遥が気を張り巡らしていると、門の中から砂利道を歩いている音がしてきた。



もう水戸藩の隊士が来たみたいだ。




心の中でガッツポーズすると遥は勢いよく立ち上がった。