「近藤。慶喜様は一度大坂に退く」



二条城に呼ばれた近藤は、松平容保の前に容保に視線をしっかり向けて話しを聞いていた。



京都守護職として、新撰組や見廻り組を率いている容保は

壬生浪士組から「新撰組」に命名した名付け親でもあった。




「ならば新撰組は将軍警護がもともとの役目。将軍様についていきます」


「いや。そなたらには、二条城を警護して貰いたいと思っている」



容保の言葉に近藤は口を継ぐんだ。



将軍様はお逃げなさる。




「……承知」




12月12日から新撰組は二条城に移った。



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「永倉さん。やっぱり将軍様は」

「皆まで言うな。というか言っちゃだめ」



二条城の門の前を警護していた永倉率いる二番隊


遥は石段に永倉と座って夜空を見上げた。



続きは屯所で

なんて言いながら、めっきり忙しくなってしまっていた。