「はいはい」と山崎は土方の後に続いて部屋を出た。



「絶対に離れんなよ。今度離れたら、本気で遥は貰うから」




永倉の耳もとで土方は呟くと、遥に「じゃあな」と手をふった。




遥が笑って土方を見ると、戸は閉まって永倉の目が遥を見つめた。



「……忍んでなんかられねぇよ」



指一本触れないで、お互いの唇だけが優しく重なった。



唇はすぐに離れて永倉のため息が遥の耳に妙に艶っぽく聞こえた。



「いっつも誰かに助けてもらってばっかで、俺って本当に駄目だよな」




コツンと遥のおでこと永倉のおでこがぶつかって、永倉の手が指が、遥の手に絡み付いた。




「皆にはすごい感謝しなきゃですね」


「うん」




遥はなんだか気が落ちてる永倉を可愛いと思ってしまった。



ふふ、と笑ってしまうとまた唇が重なった。




「土方さん格好よかったですよ」

「バカ言え」