「ほんなら、お前が、遥が永倉さんとやないんなら、俺でもええやろ?」
山崎は、副長である土方を敵に回す気はなかった。
だけど、ただ何か企んでいるだけでなく、自分の欲もあった。
永倉と復縁させる手伝いはする。
だけど、遥にその気がないのなら……
山崎はチラリと後ろを向くと、すぐに遥を見て隣に建っている出合茶屋に入っていった。
「一つ部屋を借りるぞ」
「へぇごゆっくり」
遥は意味が分からないまま山崎に手をひかれるまま二階の個室に入っていった。
個室には一つの布団に枕が2つ。
まさか、と遥は閉まった戸に背をへばりつけた。
そう、ここは現代で言うラブホテル。
「どうしたんですか山崎さん……?」
「まぁ立ってるのもなんだ、座り」
パンパンと山崎は敷かれた布団を叩いた。
「嫌々嫌々!!!えーっιι」

