時のなかの赤い糸



「何で盗人って分かったんですか?」


「うーん、勘?」




二人で大橋を走りながら永倉は笑った。




本当に本当に本当に、



「……どうして私のこと拒絶したんですか?」




そこは、遥と永倉しかいない空間みたいに、真っ直ぐ遥の声は永倉に届いた。



「……拒絶なんてしてない」




ポンッと永倉の手が遥の頭にのった



「盗人を追うぞ」




走り出した背中が、だんだん遠くなる。



行かないでと願っても、永倉と遥の間には高い壁が出来ていたんだ。



もうこれ以上踏み込むまいと、遥は同じ武士として生きる道を走り出した。




「組長!」

「松山、盗人は?」




新橋通り、永倉と遥、そして他の隊士がぞろぞろと集まった。



ここは、お茶屋街で、芸舞妓たちが行き交う街だ。



「捕まえました」




そんな場所で、盗人はお縄となった。