逃げていく男の手に握られた赤い風呂敷
「追います!とりあえず皆さんあの男を追って下さい」
『承知』
ザッと各自がバラバラになって遥たちは店を出ていった。
「遥っ」
遥も玄関を抜けて皆と盗人を捕えにいくつもりだったのに、
右手をグイと掴まれて、全く動けなくなっていた。
「わわわι」
走っていたので勢いがついていた遥だから、バランスを崩して、強い腕の中にすっぽりと収まっていた。
「永倉さん……」
「悪い」
すぐに離された体と、囁かれた言葉
無性に切なくて、遥は永倉に抱きつきそうになっていた。
「……で、盗人は?」
「え、あ、大橋をこえて東山区の方に行きました」
永倉の言葉に冷静を戻して、「行こう」とゆう永倉の後を追いかけた。
ずっと見てきた背中、
本当にこんな優しい永倉が自分を拒絶しているのだろうか?

