「滝本さん!!」
遥が来客を見るなり、声を上げた。
「知り合いか?」
隣の原田が首を傾げる
(見たことあるような……?)
土方が少し嫌な表情を浮かべた。
「久しぶり、綾野遥さん」
滝本修平は、見回り組で京都市中が火事の時に遥を助けてくれた男だった。
「で、近藤さんにどうしろと?」
若い滝本を相手にしてないかのように土方は適当に話し出した。
「新撰組が幕府の召し抱えとなった今、薩長の怒りを受けているのが新撰組。」
淡々と滝本は話し出した。
「坂本龍馬を暗殺したのが幕府だったら、薩長は必ずそう思い戦争を仕掛けて来るだろう」
「それで、うちの頭の首を取ってその場を収めんのか?」
「そうは言ってないですよ。
ただ、無罪を証明するために、少し取り調べを受けて頂くだけです」