「遥」
土方がしょうじに手をついて遥を真っ直ぐ見た
「なんですか?」
少しさっきより緊張した遥が土方を見る。
二人の間に流れるのは恋人の空気。
永倉がその空気を潰すように咳払いをした
「……なんでもない。無理するな」
「ありがとうございます」
土方がしょうじを閉めて遠退いていった。
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「急に悪かったね近藤さん」
屯所の近くにある近藤の妾宅。
その客間に、近藤と御陵衛士筆頭局長の伊東だけがいた。
約束は刀を持たない。
近藤は約束どおり、刀や尖ったもの一つ持って来なかった。
だけど、伊東の懐には護身刀が忍んでいる。
全ては闇討ちのためだった。
近藤を潰して伊東が新撰組を乗っ取り、あわよくば日本を動かそうと。

