「大切にするって決めたんだよ」



遥を包みこむように、片手で抱き締め、土方の顔を遥の頭の上にのせた。



遥の手が自然に土方の着物を掴む。




永倉が大切にした存在を簡単に奪うことはしてはいけない気がした。

だけど、早く自分のものにしないと、という心配もあった。





「遥」

「はい?」



首もとから遥のこもった声が聞こえるだけで嬉しい。



「どんだけ傷付いても、ボロボロになっても俺がいるから」




だから、だからお前は幸せになれ



気付いたんだよ。今更




お前が俺を選ばない理由





永倉と俺の違い。





初めて遥を助けたのが俺でも、遥は絶対に永倉を愛した。




それは……