遥はゆっくり土方の胸を押した。
すんなり行為をやめてくれる土方。
土方は手が早いと聞いていたから、こんな事で押したくらいでやめてくれるのは驚きだった。
同時にリアルな土方の思いを知り悲しくなる。
「悪い」
「いえ、そうじゃなくて……嫌とかじゃなくて……まだ、待って下さい」
土方は、少し驚いたように笑って頷いた。
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「永倉さん、聞いて下さい」
遥が食事を終わらせ永倉の後をつけて自室に戻る永倉を呼び止めた
「最後だから」
“最後”と言う言葉に永倉は振り返る。
「永倉さんの気持ちが変わったなら言って欲しかったです。だからあたしは言います。
あたし、永倉さんから気持ちが変わりました」
真っ直ぐ嘘をつく遥
これでよかったはずなのに、永倉は、遥を壁に押し付けて強引に噛み付くようなキスをしていた。

