時のなかの赤い糸



「遥、こっちこい」



土方がわざとらしく永倉の前で遥の肩を抱きながら歩いていく。



永倉は、前を向いたままムスッとしていた



(なにがあったんだ?)



周りは皆、頭の上に疑問符を浮かべた




「土方さん?」



土方の自室に呼ばれ、遥も頭の上に疑問符を浮かべた。



「お前、目腫れすぎ、お化けか」




土方に言われてバッと目を隠す。

その手を土方は優しく掴んで外して、まぶたにキスを落とした。



「…………………………………………ι?」

「間抜けな顔しやがって」



遥は驚きのあまり土方を見たまま動かない



「遥、俺のもとに収まれ」

「命令系ですか?」

「お前に選択権はないよ」



遥は間が抜けてしまって吹き出した。



「わかったな?」

「選択権はないんですよね」



土方は優しく笑って遥を腕の中に閉じ込めた