時のなかの赤い糸



「ケチ」

「坂本さん、言いたいことって何ですか?」



遥が坂本と永倉の間に円を描くように座る



「未来へ帰る方法」




ドクン、と遥の心が揺れる。

ずっとこうしていたい。と言う気持ちがどうしても勝つ。



《歴史がかわる》随分前に声が言ったこと



今、遥が歩む歴史は全く体験したことのない歴史。


これが正しいのかもわからない。



あたしの存在はない。




帰る。

しか方法がないけれど




永倉と少しでも一緒にいたい。

そんな思いを抱く遥の心を、坂本は宥めた



「俺はこの先の歴史を知ってる」

「遙……」

「このまま遥が時を必死に過ごせば歴史は変わらない。そして、最終回を迎えれる」



歴史の最終回。


それはいったいどこにあるのか、誰が知っているのか。