「遥も永倉さんに意地悪したんなやー」

「別にそんなつもりないですよ」



永倉は、ニッコリ笑った遥に、新選組の誰よりも強いのではないかと冷や汗を流した。



「まぁ」


島原大門を真っ直ぐ行くと、タイムスリップして過去に来てるのに、もっと古くからあったことを思わせる『角屋』があった。



遊女が柵越しに遥たちをすごい目で見る。



「なんでこんなに見られるんですか?」


遥が坂本に問うと、坂本がニンマリ笑った



「幕府方と倒幕派が一緒におって、平和なこてなんかなかなかないやろ」



(なるほどι)



角屋の暖簾をくぐると、広間に通されて遊女を選ぶ。


「太夫よびましょーよ」

「お金、持って来てない」


上機嫌の坂本を、永倉がなんとか現実に連れ戻した。



「話すんでしょ?遊女なんかいらないじゃん」

「それはあかん」



遥が言うと、坂本は目を細めて遊女を見ていく。



(男って……ι)