時のなかの赤い糸



「誰かいませんか!?」



火の中、遥は家々を全て周りながら救助活動に勤しんでいた。




「誰かっ!!」



火の中に聞こえる掠れた人の声に、遥は燃える火の家の玄関をあけて床に上がった。



周りは全て燃えている。




逃げ場さえも危ういだろう。



「どこですか!?」


「たすけて……」




確かに聞こえる人の声。



遥の歩みは進んで奥へ奥へと進んでいった



そして、見つけたのは衣装タンスにしがみついた舞子の姿だった。



「に、逃げましょう!!」


「このタンスも一緒によ」



舞子は泣きながら大事そうにタンスを抱く



「無理ですよιあきらめて下さい」



グイッ遥は舞子の着物を引っ張って立たせた。



「行きましょ」



舞子はすんなり歩き出した。




パチパチ……火の粉が肌に触れて遥に痛みを報せる。



遥はただまっすぐ出口を目指して歩いた。