「これでは新撰組が落ちて行きます」
京都の様子を見た山崎が、団子屋にいた近藤に詰め寄った。
近藤は団子を口に含んだまましかめ面をした。
「ひょっとまへって」
「局長ι」
山崎は近藤に座るよう指示され座敷に向かいあうように座った。
「どうしたらいいと思う?」
お茶を飲み込んだ後、すぐに山崎に問いかけた。
「取り戻すべきです」
「わかってるんだが……」
悩む近藤の肩を土方が叩いた。
「土方」
稽古の休憩にやって来たのだった。
「佐々木なんか無視するんだよ」
「………」
山崎も、うんうんと頷いて、近藤はギュゥッと目を閉じた。
「約束は守らないといけませんよ!土方さん!」
「遥風に言ってみた?」
ブハッと土方が笑って、近藤は遥の口調で話を続けた。
「鉄の掟が泣きますよ!士道に背くものは切腹ですよ!」
山崎まで笑いだす。
「まぁそうだな。様子みるしかないか…」
「あぁ」
むなしげなため息が団子屋に広まった。