刀を持つということは、自分の身を守ること、人に刀を向けること。
「わかってます」
それでも遥の周りの人が傷付くのは、遥自身、耐えられるものではなかった。
「……わかった」
遥の心意気を知り、土方は承諾してくれたが、土方自身少し戸惑いがあった。
未来から来た少女に、刀を持たせることが、本当によいのか悪いのか…
第一、まだ16の少女に刀を持たせるべきか。
(なんて、強い少女なんだ…)
小さな肩を見て、土方は、一つも遥に向けての悪印象を持つことはなくなった。
土方は、屯所に部外者を置いておくのは避けていたことで
見も知らない少女なんていつ裏切るか分からなかった。
だけど
(綾野は…なんかそんなんじゃねぇな)
心の中で呟くと、土方は静かに笑った