訳も分からずタイムスリップして途方にくれていたあたしを不逞浪士から助けてくれた永倉さん



あたしを襲おうとした相手が視界から消えて、かわりに姿を表したのが楽しそうに笑ったあなただった。



新撰組の名を京の町に広めた池田屋事件




皆で鬼の副長の罰で走り回った屯所周り。
それに壬生村。




気持ちを伝えたこの場所。



寂しさが沸き起こる。





「遥?」



呼ばれて振り返ると、そこには山崎さんがいた。



「泣いてんの?」




つう、と頬に滴が流れる。



「あ、」


「気付かんかったん?」




山崎が笑ったから、遥も涙を拭って笑った



「寂しいん?」


「山崎さんは寂しくないんですか?」




山崎はちょっと上を向いて唸った。



「せやなぁ。ちょっと寂しいかも」

「ちゃんと感受性はあるんですね!」

「どーゆー意味やι」