わっせわっせと、遥は羽織りの入った箱を車に運ぶ。
それが終われば次は薬箱………
そんつぎは旗。
わっせわっせと、遥も皆も荷物を車にのせては車は出発して西本願寺に向かった。
そんなには離れてないけど、2㎞くらいだから交代で行けば問題はない。
何気に遥は幹部だから車までは運ばなくてよかった。
八木邸の柱に刻まれた無数の刀傷。
芹沢を切って、びっしりこびりついてとれなくなった血のあと
こんなに迷惑もかけたけど、八木邸の人も、前川邸の人も南武邸の人もすごく優しくていい人だった。
(名残惜しくなっちゃった……)
八木邸の中庭を見ながら、頭の中で蘇る記憶を必死に追いかけた。

