「永倉さん。原田くん」



山南によって呼ばれた二人が山南の部屋に訪れた




「山南さん……」



もお隊の中に、山南の切腹はしれわたっていた。


同時に、誰であろうと容赦しない。という鉄の法度が物を言っているようだった。




「君達はこれからの新選組を引っ張っていってほしい」



「………」




いつもはふざけている永倉と原田も、今はただ頷くことしか出来なかった。



「君達と同じ時代に生まれて来てよかった」




穏やかに笑う山南は、今から切腹するようには見えなかった。



「惜しいものだ……」




伊東が、自室に伊東一派を集めて話していた。



中には藤堂の姿も




「あの男は、知恵もあるし、剣の腕も一流だ。殺してしまうのは本当に惜しい。
だが、近藤局長の判断は見事だ。あの山南を生かしておけば、隊は乱れるだろう」



話を聞いていた藤堂は、ギュッと拳を握り締めた。



「わかったような事を言わないで下さい。いくら伊東様でも、山南さんの事や、隊の事を言ってほしくない!」




立ち上がって声をあらげた藤堂に、皆が一斉に藤堂を見た。