「なんで戻って来たんだよ!?」
土方がドンッと自室の床を蹴った。
土方も山南を罰するのは、本当は反対だったんだ。
「歳。俺はどうすればいい」
近藤は頭を抱えて座り込んでいた。
答えは一つと決まっているのに、今更法度を作った自らに悪意さえも覚えていた。
「近藤さん、土方さん。山南さんが呼んでいます」
土方の自室に訪れた山崎が、真っ直ぐに二人を見比べた。
今、山南は自室で謹慎中だ。
近藤と土方は顔を見合わせて山南の自室に向かった。
「近藤さん。土方さん。君達が今するべき事は一つ。私を切腹に命ずるのです。
私を罰する事で隊の規律はより強くなる」
山南が静かに二人に言った。
明里はというと、山南はお金を渡して里へ帰れと指示をしていた。
もちろんあの明里が山南の言う事を聞くわけもなく、断ったが、山南の
「必ず迎えにいく」という言葉で頷いて、里への道を歩んでいった。