自室を開くと、遥は部屋の真ん中で正座して下を向いていた。
土方は目を真ん丸にしてその様子を少し見ていた。
遥は、下を向きながら、落胆したり、腕を組んで考え事したりと、
とにかく百面相。
笑いがたえきれなくなった土方はブハッと吹き出した。
「おまえ…何やってんだ?」
「えっ?土方さん見てたんですか?!」
焦ったようにあわてふためく遥は、直ぐに立ち上がると、また土方によって座らされた。
「座れって」
「どしたんですか?」
「どしたんですかはそっちだろ。
何百面相してんだよ」
土方が言うと、遥は正座をして唾をのんだ
「あたし…あたしに、
剣術を教えていただけないでしょうか?」
「は?」