こうして二人になるのも久しぶりかもしれない、と、少し恥ずかしくなった互いは顔を赤らめて少し距離をおいて歩いた。
「最近、気になるんですけど、山南さんと土方さんて仲悪いですよね」
「うーーーん。どうだろ」
遥の質問に永倉が困ったように首を傾げた。
「確かに今、二人の間にはいい雰囲気は流れていない。
だけど二人は他人には見えない絆があると思うんだよ」
「絆……?」
いつもの団子屋さんについた二人は話を止めることなく座席に向かい合うように座った。
「そう、絆」
「いつものでよろしいおすか?」
「「はい」」
永倉は左手を翳した。
「山南さんが殺られそうな時に、土方さんが助けた事があったんだ。
そして土方さんは迷わず転んだ山南さんに左手を指し伸ばした。
確かに憎しみあっているかもしれない。だけど、お互いを認めあって生きているんだよ」

