今日は春と遥の約束の日だった。



「わぁ!すごーい」




綺麗に束ねられた遥の髪が、今日はお団子にされて、いつか原田たちと買いにいった着物に身を包んだ。



全部山崎がやってくれたおかげなのだが。




「女の子みたい!」



「女の子やんかι」




遥の自室の鏡にうつった自分は、淡い桃色の口紅をして、大人って感じがした。




ポンッと背中をおされて、遥は鏡の中で山崎と笑いあうと屯所を抜け出した。



「かわるよなぁほんと」




原田が顎に手をあててウンウンと頷く。


永倉はそんな原田の頭をパシッと叩いた。





ルンルン気分の足取りだけは遥のいつもと同じ歩きかただった。