「永倉さんっ!
抱きつかれたけど、すぐに突き飛ばしたの!
だから、だからそんなに怒らなくても…」



原田を庇う遥に余計に腹がたつ永倉だったが、遥の言葉に刀をおろした。




(俺…なんでこんなにいらだってんだ?)



「わかんね…」



永倉はそう呟くと、遥の手を掴んで屯所を出ていった。



「永倉さん…?」



遥が心配そうに永倉の顔をのぞくと、永倉は遥の髪に触れた。




「ど、どしたんですか?」



遥があわてふためくと、永倉はフッと笑って頭を撫でた。




(あ……)



遥の髪の毛は一つに結われていて、永倉が結んでくれたのがわかった




「ありがとうございます!」



遥が笑顔でそう言うと、永倉も嬉しそうに頷いた。