「えへへ。寝たら戻ったみたい」
恥ずかしそうに笑った遥に皆がホッと胸を撫で下ろした。
「あっ今日は味噌汁だ」
重低音の斎藤の声がちょっと聞こえたり
藤堂と沖田の話に耳を傾けたり。
遥の記憶に心が新たに付け加えられていった。
「あ、新八!おせーよ。ていうか朗報!」
原田の声に、皆が一斉に遥と永倉を見比べた。
永倉とは一線をこえた記憶があって、遥に感情はないのだから今となっては皆と同じ感じだった。
「何だよ?」
寝ぼけ眼の永倉が欠伸をしながら原田の隣に座った。
「綾野の記憶が戻ったんだよ!」
永倉の瞳がぎょっと遥を見た
(こうゆう時はどうするべき??)
遥は悩んだ末にこっと笑い頭を下げた。
周囲は「おぉ愛だ」なんてヒソヒソ言ってたけど、永倉はパッとしない様子だった。