「永倉さんっ恥ずかしい……」



遥は耐えられなくて永倉の胸を叩いた。



「……たく、お前はどんだけ無防備なんだよ。男に色目使うなよ」



「色目なんて使ってませんよ!」



永倉が眉を潜めて目を細めて遥を見た



「ほら、色目」



「使ってません!」




困ったように遥が永倉を睨むと、不意に唇が重なった。



何度も角度が変わって、遥の息がもたなくなっていく。



「……その目だよ。すぐに上目遣いする」



「へ?」



ふて腐れたように永倉が、ギュッと壁に押さえ付けた遥の両腕を握るのを強めた。



「……ヤっちまうぞ?」



「何を……?」



遥は聞いてハッとした。



(嫌な予感がする……)




予想は的中して、永倉が遥の腕から手を離して遥の着物の襟元を少しずらした。



月の光に青白く反射する遥の白い肌



永倉の欲望を掻き立てるように惑わす




「………ややややめてください!」



ムードすら気にしない遥の声がして、永倉はガックリと肩を落とした。



(お預けかよ……ι)