団子屋さんの前を通ると、団子屋には永倉たちの顔馴染みがいた。




「山崎!」



彼は、先ほど遥の事を見ていた忍である。
おだんごを口に含むと、ニッコリ笑って頭を下げた。



忍と言っても服装などは皆と同じで、仕事は諸士調役兼監察だった。



壬生浪士の情報網の伝達人と言えば簡単になるがそんなとこ。




「サボりか?」



永倉が話しかけると山崎はニヤリと笑った。



「情報収集です。

そう言えば、綾野遥、原田さんに抱き締められていましたよ?」




山崎が言うと、永倉は一瞬で顔色を変えた。




「沖田さん!
先帰ってもいいですか!?」



「うん。いいよ」




永倉は血相変えて屯所に向かって走り出した。




「綾野遥はすぐに突き飛ばしていましたが」



山崎はフッと笑うと団子を食べてどこかに歩いていった。




「怖いね、山崎くんは」




沖田が言うと、藤堂は何度も頷いた。